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「新折伏鬼の野望」電子版の表紙

iPod touchで「新折伏鬼の野望」電子版の表紙を表示させたところ。(※ここではページ数表示も重ねています)

ページ数は296pと、前著「折伏鬼」の約1.5倍です。


「虚構の覇者」の見出しページ

この書籍は、昔発売された「虚構の覇者」と「会長の野望」の2作がセットになっているとのことで、さすがに各作品の見出しページが用意されています。


「新折伏鬼の野望」の目次

ただし目次はこのようなもので、やはり非常にシンプル。


「新折伏鬼の野望」のあとがき

本書では、作者の方による「あとがき」が追加されています。

本書の内容についての解説は残念ながら特にされていませんが、現在の著者が「カルト宗教」についてどのような見方をしているのか、ということが伺える興味深い内容です。


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読んだ感想

今回の「新折伏鬼の野望」は、2012年2月に購入した「折伏鬼」が非常に面白かったので、その読後に直ぐ購入して読みました。

前著の「折伏鬼」は、著者の方の宗教組織内での体験が元になっているとのことで、非常に生々しい内容でしたが、「新折伏鬼の野望」はちょっと視点が変わり、主に外部から「聖護道会」を見て取材・分析し書かれたもの、という印象です。


最初の「虚構の覇者」では、聖護道会の大規模な体育祭を巡る悲哀などが描かれていますが、主人公の経歴や役職が「折伏鬼」で書かれていた著者のものと異なっているので、取材を基にしつつ創作も入っているのか、正直判断しかねます。
(終盤で明らかになる、体育祭による聖護道会の狙いは、本当に行なわれたものなのか?私は見聞きしたことが無い)

特に主人公が、内面的には既に組織に大きな距離を置いているとはいえ、未だ幹部の立場にあるなかで、聖護道会の体育祭が開催されている真っ只中の会場で客観的な(外部の人間のような)セリフを言えるものなのか?というのは、非常に大きな疑問があり、その点でやはり創作作品なのか、という印象です。

とはいえ組織内の雰囲気の描写については、モデルとなっている宗教団体で活動した経験のある身としても、非常に良く表現されていると感じます。(組織の方針に上手くはまっているうちは非常に居心地が良い、ということを思い出す)


後半の「会長の野望」はまた打って変わり、「折伏鬼」のように著者の方が自ら語るような体裁で描かれています。
(ただしこちらでは、外部からの取材がメイン)

「虚構の覇者」でも少し出ていた「会長著述室」を巡る描写など、やはり非常に興味深く読めましたが、最後が何故か尻切れトンボのような終わり方であるため、どこまでが事実に基づいているのか曖昧になってしまっているのが残念です。

著者の方に実際に何かあったのなら、当時この著作自体が発行できていなかったのではないでしょうか?


後書きでは、地下鉄サリン事件を起こした某団体や、戦前に弾圧を受けた宗教を例示して、宗教組織への弾圧が逆にその活動を強化させてしまう、との見方が書かれており、社会がカルト宗教にどう関わるべきか、ということを考えさせられました。

ただ、本書がモデルとしている宗教団体、また本書がどこまで事実に基づいているものなのか、という点について全く言及されていないのは残念です。

livedoorニュースのインタビュー記事では、かなり直接的なことが語られているだけに、今回の電子書籍でも(オリジナル版の発売から20年以上が経過した)現在の著者としての解説が読んでみたかったです。


※グリフォン書店の作品紹介ページ:

  • 「グリフォン書店」、幻の名作が電子で復刊!『折伏鬼(シャクブクキ)』『新折伏鬼の野望』配信開始
    http://griffonstore.net/?p=318

※著者の方へのインタビュー記事:


※「折伏鬼」紙版の検索結果:


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